研究概要 |
多様なアナロジーが存在するという斬新なインパクトを持つメタヒューリスティクスは,さまざまな工学分野に適用され,成果を挙げてきた。メタヒューリスティクスのアルゴリズムの解析・設計においては,個々の手法の持つアナロジーに基づいて行われることが多いが,メタヒューリスティクスの解析・設計は,アルゴリズムの移動戦略の解析・設計に帰着できる。 本研究では,メタヒューリスティクスの持つアナロジーに立脚するのではなく,最適化手法としての基本構造,すなわち移動戦略における(1)探索履歴情報の時間的・空間的広がりと変換・活用戦略,(2)探索点間の相互作用と生成される探索のダイナミクス,を近接最適性の観点から統一的に解析することで,メタヒューリスティクスの汎用設計論を構築し,これに基づく新たな連続・離散型メタヒューリスティクスの開発と性能評価を行うことを目的としている。 平成22年度における研究成果は以下の通りである。 (1)近接最適性原理に立脚し,これまでの主要なメタヒューリスティクスを,探索履歴情報の時間的・空間的広がりと変換・活用戦略,及び探索点間の相互作用と生成される探索のダイナミクスの観点から統一的に解析し,最適化手法としての基本的構造を明らかにした。 (2)上記の構造解析を踏まえた,アナロジーに基づかないメタヒューリスティクス汎用設計法の構築と,高い自由度と探索性能を有する新たな連続型・離散型メタヒューリスティクスを開発し,ベンチマーク問題を用いた数値実験により探索性能を検証した。
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