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2011 年度 実績報告書

光ミリ波技術と二光子吸収現象の融合によるナノ変位計測

研究課題

研究課題/領域番号 22560413
研究機関東京農工大学

研究代表者

田中 洋介  東京農工大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (20283343)

研究分担者 黒川 隆志  東京農工大学, 大学院・工学研究院, 教授 (40302913)
キーワード光ミリ波 / 二光子吸収 / 変位計測
研究概要

ナノ材料作製やバイオ技術などでは、試料位置決めステージの変位をナノ精度で測定する必要がある。しかし、現状のナノ精度変位計測は、測定範囲が最大でも100μm前後に制限される。本研究では、10ナノメートルの測定精度と10ミリメートルの測定範囲を兼ね備えた変位計測技術を開発することを目的とした。そのために、100GHz以上の周波数掃引をする光ミリ波光源を新たに開発し、申請者らが研究を進めてきた二光子吸収方式レーザ変位計測へ適用することを目標とした。
昨年度は、光ミリ波発生器の開発に向け、前年度とは別の視点から検討を進めた。具体的には、外部共振器型波長可変光源を2台利用した光ミリ波発生とその安定化を中心に研究を行った。この手法では、THz以上の周波数掃引が可能である。本研究では、最初に周波数モニタ用の安定な干渉計を新たに構築し、周波数掃引時のレーザの挙動を詳細に観測した。その結果、周波数を一定間隔で変化させる際、周波数の大きな変動があり、これが距離測定の精度向上を阻んでいることが明らかになった。そこで、周波数変動が起こらないような新たな掃引制御手法を検討し、距離測定の実験系に導入した。二光子吸収方式レーザ変位計測では、これまで数mからkmのレンジでは1/100,000から1/10,000の高い測定精度を達成していたが、今回の新しい実験系により、非常に短い測定距離である10mmに対しても繰返し測定精度1/10,000を達成できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

昨年度の研究で、光ミリ波の周波数較正が、高精度な距離変位計測を行う上で非常に重要なことが明らかになった。そこで、本年度は、光ミリ波周波数の較正のための安定な光干渉計の構築、およびそれを用いた光周波数観測と周波数構成を行うことを計画した。実際に、光ミリ波光源の周波数変動を詳細に観測し、また、あらたな周波数掃引手法の考案により、距離測定精度の向上が図れたため、計画は順調に進展したと考える。

今後の研究の推進方策

今後の研究では、ミリ波光源の周波数掃引精度と距離変位測定精度の関係について、実験、理論両面から更に検討を進める。対象とする光路長差は、数mmから数10mmの範囲とする。これらに対し、1/10,000から1/100,000の精度を達成するために必要な条件を明らかにし、その実現を目指すことを目標とする。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 2011

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 受光素子の二光子吸収を用いた10mmレンジでの高精度距離計測2012

    • 著者名/発表者名
      鈴木、齊藤、遠藤、田中、黒川
    • 学会等名
      電子情報通信学会東京支部学生会
    • 発表場所
      東海大高輪キャンパス
    • 年月日
      2012-03-03
  • [学会発表] Distance displacement measurement with two-photon absorption process in Si-APD and high-speed optical millimeter wave scanner2011

    • 著者名/発表者名
      田中、目黒、遠藤、黒川
    • 学会等名
      21st International Conference on Optical Fiber Sensors (OFS-21)
    • 発表場所
      Ottawa, Canada
    • 年月日
      2011-05-17

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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