最終年度の本年度は、監視カメラや車載カメラなどへの本技術のニーズを考慮して、高速点滅光源などの専用装置を必要とせず汎用的に使用可能な簡易ブレ評価システムを新たに開発した。計測用パターンを表示するデバイスとして市販の液晶ディスプレイを利用し、開発済みの専用装置と同様に動画の格子パターンを表示させ、振動体に設置したカメラで撮影する。撮影画像において格子パターンの各点の重心座標を求め、各格子点間の距離の標準偏差を計算しその値をもってブレ量とする。元々各格子点は等間隔に配置されており、振動によって点配置の乱れ具合が大きくなるからである。隣り合う格子点の色が異なるように選ぶことで、大きい振動に対しても誤検出が少なくなることを確認している。 振動台を用いて各種振動を与え、上記に基づくブレ量の検出結果に対する検証を行った。与えたブレの振幅角と求められたブレ量との間には比例関係があり、照明環境に影響を受けにくいなど本手法の有効性が確認できた。 またスマートフォン上にも上記簡易ブレ評価システムをアプリケーションとして実装し動作を確認した。グラフィカルユーザインターフェースを備え、使い勝手をよくする工夫も行った。 以上3年の研究期間において、小型LEDディスプレイの試作、微小振動検出法の開発、新たなブレ検出プログラムの作成、簡易手ブレ評価システムの開発までを行うことができ、当初の計画以上の成果が得られた。
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