研究概要 |
自然現象観測に特有な課題を解決し,自然現象観測に有用な3次元計測システムの実現が研究目的である。本研究で解決する課題は,観測地の地形・動植物等から観測装置の設置位置の制限が強いこと,計測対象抽出に関する画像処理手法(例えば,氷河観測では氷河ピーク形状の変化,雲観測では雲の透明性・不定形による計測対象の形状変化),気象の影響への対応である。さらに,観測機器の搬送も考慮する必要がある。これらの課題に対して,3次元画像計測の観点から対応方法の検討・実現に取り組んだ。 具体的には,次の研究テーマについて計測装置を作成し実際の観測にて有効性の確認を行った。 1. 設置位置の汎用化:自然現象観測における観測装置の設置位置の自由度を高めるために,高精度計測のコア技術に基づいて,観測の模擬環境でのシミュレーションおよび実験を行い,カメラ配置と計測精度との関係を綿密に調べた。具体的には,遠距離で最大誤差0.1mである計測領域を実現するための条件を明らかにした。 2. 対応点探索,観測領域の拡大: (a) 観測対象に適した対応点探索方法に関する研究を行った。氷河ピークおよび雲を対象とする対応点探索方法に対して,これまでの研究を踏まえて多方面から検討した。 (b) 観測機器の振動対策に加えて,観測領域の拡大について検討を行った。例えば,観測機器移動時の計測に対する検討を行い,計測実現性を確認できた。 3. 小型かつ高精度の実現:観測機器の運搬を考えて,装置の小型化,かつ,計測目的に対する十分な精度実現の研究を行った。
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