研究概要 |
『時空間解析を動的せん断ひずみの秩序性の解析に導入し,亀裂近傍のエバネッセント場を検出することにより,波長の数分の1の大きさの亀裂を抽出する非破壊検査法を確立すること』を目的として基礎研究を実施した結果,本年度は以下の成果を達成した 1. 現有の表面変位観測装置を用いて,薄板材料表面の振動場をサブミクロンオーダーで計測し,欠損近傍での面外せん断ひずみの振る舞いがどのように変換するか検証する 2. 以上の実験結果に基づき,薄板材料中に発生した欠損の有限要素モデル化を行った 3. 当該モデルを構造解析ソフトウェア中に再構成し,観測された現象を再現した 4. 同時に,波動方程式にもとづく解析を実施し,中空円筒状の欠損が薄板材料中に生じた場合の,A0モードラム波の波動場の厳密解を導出した 5. 厳密解にもとづき,互いに直交する動的面外せん断歪みの共分散行列の行列式が,欠損近傍のエバネッセント場を抽出することを理論的に明らかにした 6. 上記の行列式を,1で得られた観測結果に適用した結果,欠損部を映像化することに成功した 7. さらに,現時点において波長の1/18程度の分解能を有していることが,実験により確認された.なお,分解能を決定する要因は,計測に用いるプローブの空間的大きさであると予想している 8. 以上の結果をまとめて,学会誌に投稿した
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