研究概要 |
本研究の目的は、生活の質(QOL)の向上を目指し、筋活動モニタリングのための光・電気・振動同時測定システムを確立することである。そのために、光・電気・振動一体型センサを提案する。提案センサは、生体の同一空間内において、光・電気及び振動特性の同時測定を可能とするものであり、そられの測定値により筋活動診断の能力の向上を図ろうとするものである。 本年度は光・電気・振動一体型センサを製作し、その性能の評価をした。一体型センサは、透明電極としてのITO電極で作成されたPVDFフィルムの表面に絶縁層を介して透明電極を積層化したものである。さらに、その上部に光センサを配置した構造である。一体型センサの光センサとして発光素子(近赤外LED)を有するものを中心として、フォトダイオードを有するものを両サイドに配置した構造とする。ITO電極及びPVDFフィルムが光を透過させるゆえ、LEDで発光し、生体からの光の反射を両サイドのフォトダイオードで検出することで光特性の測定が可能である。また、それぞれの光素子表面上に配置したITO電極で筋活動により生じる電位を、PVDFフィルムで筋活動により生じる筋振動(筋音)を測定することが可能である。実験として、生体モデルなどにより提案センサにより測定した電位、振動電圧及び受光電圧と筋電用ステンレス電極あるいは皿電極で得られた電位、PVDFフィルムで測定した振動電圧及び光センサのみで測定した受光電圧をそれぞれ比較した。結果から、提案センサにおける電位及び振動測定の精度が不十分であったが,提案センサによる電位、振動、受光電圧の測定の可能性を得た.次年度にセンサを改善し、筋活動の測定を行う。
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