研究課題
本研究の圧磁気効果による微小地磁気変化の超高感度計測による地震前駆現象の検出を実現するためには、現存する地磁気観測用磁力計より計測感度の優れ、さらに、長期の野外観測に適した磁力計を開発する必要がある。多方面にわたる検討の結果、実現可能な磁力計として高温超電導SQUID磁力計を選択した。このため、(財)国際超電導産業技術研究センター(ISTEC)などと協議を重ね、同センターに高温超電導SQUID素子の作製を依頼し、このSUID素子の提供を受けて(有)テラテクニカがSQUID磁力計を製作していたが、種々の困難を乗り越え完成にこぎつけることが出来た。その性能は、・最高地磁気分解能として数pT(ピコテスラ)、・最短サンプリング時間として0.1秒、・液体窒素の一回の補給で最低1カ月の観測可能なように、液体窒素容器として12,2リットルのアルミニュウム製容器を使用する、となっている。日本の地磁気データの標準となる気象庁柿岡地磁気観測所の磁力計とこのSQUID磁力計を用いて地磁気の並行観測を行った結果、この磁力計は柿岡と同等水準以上の観測精度を有することが示された。観測点を2011年東北地方太平洋沖地震発生の後、誘発地震が頻繁に発生している福島県いわき市郊外に決定し、福島工業高等専門学校の教員と共同で地磁気観測システムの設置を行うことを予定している。
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International Journal of Geophysics
巻: 2012
IEICE Transactions on Electronics
巻: E95.C (1) ページ: 110-114
Earth and Planetary Science Letters
巻: 305 ページ: 65-72
Doi:10.1016/j.epsl.2011.02.042