研究概要 |
本年度では,まず海外研究協力者の協力を得て, 上海復旦大学付属医院で計10名の擬似脳死患者(昏迷患者と脳死者が両方いる)に対して延べ29回以上の脳波を計測した.現時点では合計25名の患者,64セクションEEGデータを測定した.これらのデータをすべて活用していた. これらのデータはこれからの脳死判定研究の遂行にも不可欠なものである. 本年度においては,まず標本エントロビー(SampEn: Sample Entropy)法を開発し,従来開発した近似エントロビー(ApEn)法と比較し,その有効性を確認した. また新たに開発されたSample Entropy やMultivariate Multi-scale Entropyなどの方法を更にダイナミックへの拡張していく.患者の症状の変化を観測ができるようになった. 次に耐雑音可能なEMD高速アルゴリズムの開発については,独立成分解析を前処理として導入し,脳単一チャンネルの分解法から多チャンネル同時に分解法の利用でICA+MEMDを用いた健常者,昏迷患者と脳死者に対する脳活動エネルギーをそれぞれ積算し,開発法の耐雑音性と高速化を確認した.最後にオンラインシステムの実験脳波予備検査システム開発については,皿電極+生体アンプ+計測ソフト+本研究で開発した解析算法を構築し,実時間オンライン一体化処理実験を行っていた. 本年度の研究成果としては,学術論文,国際会議の発表に合わせて計12件を公表した.
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