研究課題/領域番号 |
22560432
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
五反田 博 近畿大学, 産業理工学部, 教授 (10153751)
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キーワード | ブラインド信号分離 / 独立成分分析 / FDICA / 時間周波数マスキング / スパース性 / 音環境のモニタリング / 音源定位 / 雑音抑圧 |
研究概要 |
1.スパース性に基づいて無音源区間、一音源区間、2音源以上の区間を識別する方法を提案しその有効性を検証した。 2.スパース性の尺度として、Hoyer尺度、Gini係数、エントロピー、尖度等について比較実験を行って、計算量とDOA推定精度の観点からHoyer尺度が優れていることを確認した。 3.スパース評価に基づいて、音源到来方向(DOA)をフレーム(20~30ミリ秒)単位で推定し、その推定DOAをもとにソフトマスク処理により指向性を制御して所望の音を分離抽出する基本スキームについて検討し、マイク対正面から±30度の範囲を越えた位置から到来する音源に対して推定精度が劣化する問題をCramer-Rao Boundの観点から究明し、その原因を明確にした。 4.所望音源の到来方向(DOA)観点から残響の影響を軽減するアプローチを進めてきたが、残響成分(直接波、初期反射部、後期反射部)のうち後期反射部に対しては顕著な効果が確認できなかった。 5.そこで、所望音源については方向だけでなく距離も絞り込むことで残響の影響を軽減するアプローチを種々試みた。 6.その結果、マイク対の配置を工夫することで、所望音源の方向だけでなく距離も絞り込めることを原理的に明らかにした。 7.所望音源の方向と距離を絞り込むことで、雑音や残響の影響が軽減できることを実験的に確認した。 8.所望音源の方向と距離の絞り込みについて、所望音源とマイクの距離がどの程度の範囲にあれば有効であるかを検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
提案法の有効性については、分離音の品質評価や音環境の変化に対する追随性の評価作業が残っている。そのため、MATLABプログラムからC言語プログラムへの移植作業に遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
1.音源の捕捉距離の伸長 2.音源位置に対するマイク音圧比特性の解明 3.抽出音の音質評価 4.ドアの開閉等による音環境の変化に対する追随性の検証 5.MATLBプログラムのC言語への移植
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