研究課題/領域番号 |
22560434
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研究機関 | 群馬工業高等専門学校 |
研究代表者 |
鈴木 靖 群馬工業高等専門学校, 電子メディア工学科, 教授 (50132577)
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キーワード | マイクロホン / レーザー / 全反射 / 屈折率 / 広帯域 / 大音圧 |
研究概要 |
本研究課題では、提案するガラスと空気の境界面(曲面)における光の全反射特性を利用した全く新しい原理のマイクロホンが、超広帯域・大音圧用として実用可能であることを実験的に示すとともに、実用の際に問題になるいくつかの事項について検討しておくことを目的としている。 平成22年度において、光源部(半導体レーザ)、センサ部(ガラス)、受光部を一体化した簡易マイクロホンヘッドを製作して音圧検出実験を行い、提案の方式のマイクロホンが実用可能であることを示した。平成23年度では、光ファイバマイクロホンの実現を目指し、まず、光源部(入射光部)を光ファイバに置き換え、光学基盤上で実験を行って音圧の検出を確認した。次に、光の伝送路を全て光ファイバで置き換え、センサ部と光ファイバ(入射光部、受光部)を一体化したマイクロホンヘッドのプロトタイプを製作して音圧検出実験を行い、本方式の光ファイバマイクロホンの実現も可能であることを示した。これらの結果は、国内、国際学会等で発表するとともに、本研究の内容は、空中音波検出のための新しい方法として、電子ジャーナルでも発表した。 本方式のマイクロホンの音圧感度はセンサ部の曲面の曲率半径で決まり、半径が大きいほど感度は大きくなるが、現状では製作技術の制約のために曲率半径は11mが限界であり、通常の大きさの音圧を測定できるほどの感度にはなっていない。しかしながら、130dB以上の大音圧は容易に検出できている。本マイクロホンはセンサ部に機械的振動部を持たないため、極めて大きい音圧が測定でき、さらに光ファイバマイクロホンとすることによって極めて小さく作ることも可能であり、それにより、超高周波域までの音圧測定が可能となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題の目的は、提案のマイクロホンが実用可能であることを理論的実験的に示すとともに、実用の際に問題になると考えられるいくつかの事柄について検討することである。音圧感度について理論的に検討し、プロトタイプを製作して音圧が検出できることを実験的に示すことによって、本マイクロホンが実用可能であることは示すことができた。実用に向けての課題に関しては、現在検討中である。
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今後の研究の推進方策 |
本マイクロホンの実用に向けての課題について検討するとともに、超高音圧用マイクロホン(あるいは気圧センサ)としての実験的検討も行う。具体的には、(1)回折効果の計算、(2)センサ面への入射光の入射角制御法の検討、(3)全反射光の位相変化を利用した音圧検出法の検討、(4)本マイクロホンの感度校正法の検討、(5)光ファイバの先端に片方の端面が放物面である円柱ガラスを取り付けた形のセンサでの実験などである。
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