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本研究では応用範囲が広いとされる量子光学系あるいはそれとスピン系との複合系に焦点をあて，量子フィルタ理論・量子制御理論の有効性を確かめる具体的な量子フィードバックシステムの設計と実現を目的としている．量子フィルタ理論および量子フィードバック制御理論を基礎とし，量子状態の推定や，量子系に特異の量子状態を生成・保持することを目指し，その際の推定限界，制御性能限界等を検証する．本研究の主目的を達成するために，前年度までの研究により，量子光学系においては対象とする量子光学系の特定と，それに対する測定および制御の基本的方策について導くことができた．本年度はこれをベースとして，対象とする量子フィードバック制御系の有効性，つまり特異な量子状態の生成の可能性について，理論的考察と数値実験により議論を進めた．未だ完全な確証は得られていないが，その可能性についての知見が得られた．一方，量子光学系とスピン系との複合系においては，量子エンタングルド状態の一つである，一般次元のGHZ状態をフィードバック制御することを考え，そのために必要な測定系の設計と，フィードバック入力による可制御性について明らかにした．
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