研究課題/領域番号 |
22560441
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研究機関 | 香川高等専門学校 |
研究代表者 |
漆原 史朗 香川高等専門学校, 電気情報工学科, 准教授 (90311092)
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研究分担者 |
大石 潔 長岡技術科学大学, 電気系, 教授 (40185187)
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キーワード | 電動射出成形機 / センサレス力覚フィードバック / 力覚推定アルゴリズム / 協調マルチ力覚制御系 |
研究概要 |
本研究では、エネルギー・環境問題の解決手段として注目されている燃料電池のセパレーターや水質改善システムのろ過装置に用いられる薄膜生成に着目し、熱可塑性超薄膜のリサイクルシステムとして将来期待されているデスクトップ型次世代射出成形機の基幹技術について検討する。小型電動射出成形機には、従来の力覚センサと同等の検出精度を有するセンサレス力覚フィードバック系の設計法を確立する必要がある。 平成22年度においては、トルク指令値に高調波成分を重畳させた場合、力覚推定値が振動するものの推定精度が向上する事前研究成果を応用し、高調波重畳による高精度力覚推定アルゴリズムの設計方法を確立した。さらに、様々なトルク指令に対する実機データに基づき、重畳した入力信号の周波数に着目した評価関数を作成した。この研究成果については,平成24年度電気学会産業応用部門大会にて成果を報告している。 平成23年度では、重畳する入力信号の振幅,周波数,位相まで考慮した評価関数を完成させ、一昨年度の成果からより厳密な周期信号の最適化について検討した。この研究成果については,平成23年度卒業研究論文として研究成果をまとめて報告した。さらに、高次反力オブザーバを用いた力センサレス圧力制御の実用化に向けて、保圧工程の過渡状態に適合した高次反力オブザーバと保圧工程の定常状態に適合した高次反力オブザーバの両方を1つのオブザーバ構造で実現できる手法について検討を図った。この研究成果については、平成23年度電気学会産業応用部門大会と電気学会産業計測制御研究会IIC、国際会議 (AMC2012)にて発表している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
金型内のプラスチック樹脂の反力を考慮した高精度な力覚情報獲得方法の足掛かりとして、プラスチック樹脂の物理モデルを流体シミュレータで構成する予定ではあったが、射出軸の過渡応答ならびに定常状態を考慮したオブザーバ構成によりほぼ同等の力覚フォードバック系の設計が構成できている。本年度は、さらに精度を向上させるために,流体モデルを付加した力覚フィードバック系まで拡張したシステム設計を検討する。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、改良したセンサレス力覚推定アルゴリズムにプラスチック流体モデルを付加し、力覚フィードバック系を成形機全3軸に適用する前準備を行う。まず、金型内のプラスチック樹脂の反力を考慮した高精度な力覚情報獲得方法の足掛かりとして、プラスチック樹脂の物理モデルを流体シミュレータで構築する。この物理モデルを力覚推定アルゴリズムに取り入れ、力覚推定値と実測値との比較検討や物理モデルの妥当性を検討しながらセンシング精度を高める。最後にこれまでの成果を踏まえて、3軸の力覚情報を連携、かつ、プラスチック樹脂からの反力を考慮したマルチ力覚フィードバック協調アルゴリズムを設計し、シミュレーション解析や実測により理論的検証を行う。
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