研究概要 |
未感染者,感染者,回復者,ワクチン接種者の4人口からなる個体群に対して,感染症制御に向けた以下の研究を行った. (1)感染症伝播過程の確率モデルの確率 未感染者,感染者,回復者,ワクチン接種者の4個体群に対して外乱の影響と各個体群の空間的移動を考慮した相互関係を考え,各個体群密度の時空間的変化を確率解析に基づいて確率反応拡散方程式として,感染症伝播過程の確率モデルを構成した.外乱としては時間空間正規性白色雑音を採用した. (2)感染症伝播過程の安定解析 構成した4個体群の確率モデルを用いて,シミュレーションにより外乱の感染症伝播やワクチン接種への影響を解析する。感染者の平衡状態が安定であれば感染症は定在化するため,ワクチン接種によって感染を阻止できないことになる.そこで,感染症制御のために感染者の平衡状態の安定性を考察し,外乱やワクチン接種の平衡解の安定性への影響やワクチン接種下において感染症伝播を阻止可能なワクチン効果や基本再生産数を明らかにした. (3)感染症制御系の基本設計 感染症制御系設計に向け,まず外乱と人口の空間移動がない場合の感染症制御系の基本設計を行った.すなわち,投薬量を制御入力,感染者,未感染者,回復者およびワクチン接種者を状態変数として,感染者密度分布と投薬量からなる2次評価関数を設定し,感染症制御問題を非線形システムの最適制御問題として定式化し,最大原理を用いて最適制御系の基本設計を行った.
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