研究課題
制御入力の数が一般化座標数より少ない劣駆動系では、アクチュエータの数が全駆動系に比べて少ないため、コスト、重量、信頼性の点で優れている。しかし、そのような劣駆動系には強い非線形性があるため、劣駆動系の制御に関する研究は挑戦的な課題である。そこで、本研究では、劣駆動度(一般化座標数と制御入力数の差)1の系の安定な制御器による安定化制御問題ならびに、劣駆動度2の系の全体エネルギーと駆動関節の同時制御問題などに挑戦している。その研究成果は4つの国際学術雑誌やSpringer社の専門書等に掲載されているが、以下はその主な研究成果の一部である。1.劣駆動度1の系の強安定化器の存在性と設計法システムの保全性、同時安定化問題の解決にも役に立つことから、強安定化(安定な制御器で安定化)に関する研究がよく行われている。本研究では、2自由度劣駆動ロボットの代表例であるAcrobotとPendubotなどの劣駆動度1の系の強安定化器の存在性、さらに、その実用性に優れている低次元の強安定化器の存在性を明らかにするとともに、その低次元の強安定化器の解析的な設計法を確立している。2.劣駆動度2のシステムの全体エネルギーと駆動関節の同時制御本研究では、垂直平面における1つの関節のみが駆動の3リンクロボットを対象とし、その全体エネルギーと駆動関節をそれぞれの目標値に制御するという未解決問題を扱い、系全体のエネルギーと駆動関節角度および角速度を制御するというエネルギー制御法を適用し、その制御則を設計するとともに、駆動関節の異なる配置に対して、全体のエネルギーの収束性を理論的に明らかにし、現在のエネルギー制御法による劣駆動系の制御の有効性や限界を示している。さらに、数値シミュレーションなどにより、提案した制御則でのロボットの動きを解析し、制御則の有効性を確認している。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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