| 研究概要 |
本研究課題では,構造的不確かさをもつ切り替えシステムの安定条件と不変部分空間の概念を用いた制御問題の可解条件について研究することが本研究の目的である.
今年度の研究成果は,以下の通りである.
1. Polytopeの意味で不確かなパラメータを含む一般個のサブシステムからなる連続時間線形切り替えシステムが状態フィードバックおよび切り替えオブザーバにより二次安定化可能であるための十分条件が調べられた.
2. Polytopeの意味で不確かなパラメータを含む一般個のサブシステムからなる連続時間および離散時間線形切り替えシステムについて,サブシステム行列が同次対角化可能であるという条件において,漸近安定であるための必要十分条件が,Dwell Timeと端点行列の固有値を用いて与えられた.
3. 非線形切り替えシステムの安定化可能性を調べる前段階として,線形化システムが可安定または可検出でないような本質的に非線形なシステムに対して,出力トラッキング可能であるための条件が調べられた.具体的には,p標準形非線形システムではpが1以下の場合でも状態フィードバックによる出力トラッキング問題が解決可能であることを理論的に示すことができた.
4. 連続時間線形切り替えシステムに対して,外乱除去問題が定式化され,この問題が解けるための条件について調べられた.さらに,外乱除去と二次安定性の併合問題についても調べられた.
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