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2010 年度 実績報告書

ゆらぎを伴う分子アトラクターの解析と構成に関する生物制御理論の研究

研究課題

研究課題/領域番号 22560454
研究機関早稲田大学

研究代表者

内田 健康  早稲田大学, 理工学術院, 教授 (80063808)

キーワード制御工学 / 生物制御 / アトラクター制御
研究概要

本年度は、ゆらぎを伴う分子アトラクターのモデリングに関する研究の調査から始め、その結果に基づき確率モデルの選択とシミュレーションモデルの構築に取り組んだ。本研究の目標は特定の生物の現象・機能の解明ではないが、その第一歩として生命現象の典型的な例である概日リズムというゆらぎを伴う分子アトラクターに焦点を絞った。概日リズムの制御メカニズムにおけるゆらぎの役割を定性的に理解するためには、できるだけ(本質を失わない範囲で)単純なモデルを用いる必要があるが、一方、概日リズムの制御メカニズムにおけるゆらぎを定量的に評価するためには、生化学反応に忠実な(したがって複雑で次数の高い)モデルを選ぶ必要がある。このようなモデルの複雑性や計算量とのトレードオフに注意しながら確率モデルの構築を検討した。
次に、ゆらぎの定量的解析に関する最新の研究結果の調査を踏まえて、確率モデルの構築を検討しながらゆらぎを伴う概日リズムの分子アトラクターを定量的に評価する方法を検討した。確率モデルに基づく定量的解析においては、概日リズムなどの周期的アトラクターに対する確率モデルがその対象となるが、アトラクターの確率分布の数理解析と同時に、その確率分布から導かれる生物学的に意義のあるゆらぎの統計量・評価量とは何かを検討した。平衡状態に関するゆらぎの解析と評価に関する先行研究を踏まえて、平衡状態からアトラクターという動的な定常状態に変更されたときに、制御メカニズムを解明するためにはどのような評価が合理的であるのか、また、どのような評価が生物学的特徴を抽出できるのか、といった視点から解析と評価の問題に取り組み、その評価の基礎となる評価式を提案し論文発表を行った。評価式に基づくゆらぎと機能の解析を次年度から行う予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Identification of a novel chemical potentiator and inhibitors of UCH-L1 by in silico drug screening2010

    • 著者名/発表者名
      T.Mitsui, K.Hirayama, S.Aoki, K.Nishikawa, K.Uchida, 他3名
    • 雑誌名

      Neurochemistry International

      巻: 56 ページ: 679-686

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Formulas for intrinsic noise evaluation in oscillatory genetic networks2010

    • 著者名/発表者名
      Y.Ito, K.Uchida
    • 雑誌名

      Journal of Theoretical Biology

      巻: 267 ページ: 223-234

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Performance Evaluation of Circadian Clocks Fluctuated by Intrinsic Noise2010

    • 著者名/発表者名
      Y.Ito, K.Uchida
    • 雑誌名

      Proc.of 2010 IEEE International Conf.on Control Applications

      巻: (CD-ROM) ページ: 506-511

    • 査読あり
  • [学会発表] 内因的ノイズを考慮した概日リズムモデルの評価とロバスト性解析2010

    • 著者名/発表者名
      伊藤, 河内, 内田
    • 学会等名
      第53回自動制御連合講演会
    • 発表場所
      高知城ホール
    • 年月日
      2010-11-04

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公開日: 2012-07-19  

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