研究課題
重要な制御応用例であるDCモータのディジタル制御系モデルは安定限界(-1) に近いサンプル零点を持つことが多いことから極零消去を行いにくいが,フィードバック系の補償器として用いられる位相進み/遅れ要素を直列結合して,その自由パラメータを調整することでサンプル零点の再配置を行いディジタルフィードフォワード制御系を設計した.昨年度にこの技法を実現するオペアンプ回路による零点再配置フィルタを開発し、モデルフォロイング制御実験によって有効性を検証できたが,この零点再配置フィルタを高速サンプルのディジタルフィルタに置き換える実験を行った.これによりアナログ回路を用いないマルチレートサンプル値系によって零点再配置をおこなう技法を確立できた.さらに,従来サンプル零点の不安定性によって応用に制約があったモデル追従適応制御系の設計へ応用する研究を行った.適応制御アルゴリズムとして,間接STR(制御対象のパラメータ推定を行った後に制御器のパラメータを調整する方法)を選んだ場合はパラメータ推定に時間がかかって収束が遅くなることも予想れていたが、DCモータを対象とした数値シミュレーションでは良好な収束性が確認できた.DC モータ制御装置を用いた具体的な実験によっても開発した手法の有効性が確認できた.
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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SICE Journal of Control, Measurement, and System Integration
巻: 5 ページ: 283-289
10.9746/jcmsi.5.283