• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

床版下面増厚補強設計法および維持管理手法の提案

研究課題

研究課題/領域番号 22560458
研究機関北海道大学

研究代表者

古内 仁  北海道大学, 大学院・工学研究院, 助教 (60165462)

キーワード下面増厚補強工法 / 付着割裂破壊 / tooth model / アンカー筋
研究概要

研究実施計画における23年度の目標は以下の2つである。
1.種々の増厚モルタルの特性を取り入れた場合の付着強度式の提案
2.種々の増厚モルタルを用いた下面増厚補強床版および梁の疲労載荷による増厚部剥離破壊のモデル化
1つ目の目標に対しては、基盤コンクリートと靭性モルタル(HPFRCC)のせん断付着強度について,水の影響を調査するための実験を実施した。実験は、要素試験体による静的載荷試験と疲労載荷試験によって行われた。乾燥状態におけるHPFRCCのせん断付着強度は、既往の実験で行われたポリマーセメントモルタルに比べて、静的および疲労ともに若干低下することがわかった。浸水させたHPFRCC供試体においてせん断付着強度を調べたところ、乾燥状態と比較して強度低下が見られなかった。
実験データが十分に足りないので24年度に追加実験を行い、モルタル種類および環境条件(水の影響)を取り入れた設計せん断付着強度を提案する。
2つ目の目標に対しては、コンクリート強度を変数としたはり部材の載荷実験を行い、増厚部剥離破壊の1種である付着割裂破壊を再現した。実験結果に基づいて、Concrete Tooth Modelによる付着割裂破壊の終局荷重の予測モデルを構築した。また、剥離破壊および付着割裂破壊は脆性的な破壊であるため、防止する必要があると考えられる。これについては、破壊防止アンカー筋を取り付けた供試体を別途用意し、実験の計測結果からアンカー筋が負担する力をConcrete Tooth Model付着割裂破壊モデルに取り込んだ。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究実施計画で立てた2つの目標に対して、概ね順調であるが、2つ目の目標においては十分な実験データが得られていない。24年度において、補足の追加実験(水の影響を調査する要素実験)を行う予定である。

今後の研究の推進方策

上記の一連の研究成果から、下面増厚補強工法に用いる材料の選定方法、既存構造物の条件(供用年数、残存強度、荷重条件、環境条件など)と劣化メカニズムとの関連性を整理し、選定された補強材料の組合せによる劣化予測手法を構築し、以下の提案を行う。
・性能設計手法における目標性能、照査用応答値と限界値の算定方法および照査法の提示
・下面増厚補強設計法および維持管理手法の提示

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 下面増厚補強RC梁の付着割裂破壊荷重に対する既設部コンクリート強度の影響2012

    • 著者名/発表者名
      柏原優澄
    • 雑誌名

      土木学会北海道支部論文報告集

      巻: 68(CD-ROM)

  • [雑誌論文] Average Crack Spacing of Overlay strengthened RC beam2011

    • 著者名/発表者名
      D.W.Zhang
    • 雑誌名

      Journal of materials in civil engineering, ASCE

      巻: Vol.23, No.10 ページ: 1460-1472

    • DOI

      10.1061/(ASCE)MT.1943-5533.0000316

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi