研究概要 |
鉄筋コンクリートへの通電がアルカリ含有量分布およびASR膨張に与える影響について検討を行い,以下の結果が得られた。(1)供試体に供給する電流密度の増大とともに鉄筋周辺に集積するアルカリ金属イオン量が増大し,その移動量は積算電流密度の大きさに依存していると考えられた。(2)通電によりASR膨張は助長される。また,電流密度に関するペシマム値の存在が確認された。(3)現時点では,5mA/m2程度の電流密度であればASR膨張は大きく助長されることはなかった。(4)ASRによる膨張率を電流密度と通電期間の関数として表すことができた。(5)電気防食工法適用前に大きな電流密度(1A/m2,2A/m2)を供給することにより,電気防食工法適用中のASR膨張を抑制できた。
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