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2011 年度 実績報告書

Ca/Si比の異なるC-S-Hの炭酸化モデル構築に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22560464
研究機関広島大学

研究代表者

石田 剛朗  広島大学, 大学院・工学研究院, 助教 (60420501)

キーワードコンクリート / 炭酸化 / C-S-H
研究概要

本年度は,昨年度に引き続き,C-S-Hの炭酸化実験を行った。C-S-Hについては,試薬を用いた合成物を用い,合成C-S-HのCa/Si比は0.7,1.1,1.4とした。Ca/Si比0.7および1.4は,合成後に不純物が残存しない,下限および上限のCa/Si比である。炭酸化の方法としては,試薬(NaOH)により作製した模擬細孔溶液(初期pHは13.2)80mlに粉末状のC-S-H1.0gを加えたものを試料とし,これを炭酸化試験槽内に曝露した。CO2ガス濃度は0.05,0.5,5.0vol.%とし,雰囲気の温度は25℃,相対湿度は水の蒸発を防ぐ目的で約99%とした。所定の曝露期間が経過した後,吸引ろ過を行い試料を溶液と残渣とに分離した。溶液についてはpHメーターによりpHを,フレーム原子吸光光度計により溶液中のCa濃度とSi濃度を測定した。残渣についてはTG-DTAにより炭酸カルシウム量を定量し,また,サリチル酸メタノールへの溶分をC-S-H量とみなし,処理前後の質量差を測定することでこれを求めた。
全体的な傾向として,Siの大部分は固相にシリカゲルとして存在している可能性が高い。また,サリチル酸メタノールに溶解しない,低Ca型のC-S-Hが炭酸化により生成しており,低Ca型のC-S-H,および高Ca型のC-S-Hはともに環境のCO2ガス濃度が低いほど多く残存していた。
Ca/Si比が高いC-S-Hほど,炭酸化速度が速いことを実験的に確認した。ただし,この詳細な機構に関しては不明な点も多く,Ca/Si比の異なるC-S-Hの炭酸化モデル構築に向けて,さらに実験的および数値解析的な検討を続けていく必要がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

実験は計画通り行われているが,一部予定していた分析結果がうまく得られず,モデル化に際して必要となる情報がやや不足している。このため,一部の実験方法あるいは分析方法の改善を行う必要があると考えられる。

今後の研究の推進方策

モデル化を行うにあたって,反応系全体に関する詳細な経時変化データが必要である。具体的には,炭酸化後の残渣中のシリカゲル量の定量が必要と考えられる。今後は,新たにシリカゲル量を測定し,Siの変化を見極めたうえで,C-S-Hの炭酸化モデル構築を行っていきたいと考える。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 炭酸化によるC-S-Hの分解に関する実験的検討2011

    • 著者名/発表者名
      石田剛朗
    • 学会等名
      第38回セメント・コンクリート研究討論会
    • 発表場所
      松山市
    • 年月日
      2011-11-18

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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