研究課題
本研究の第一段階として、まず貧配合のコンクリートに関し,練混ぜ水の一部を後添加した場合の流動性の変化について検討し,単位水量が同一でも加水の有無によりスランプに差が現れることを示した。この結果の練混ぜ水の挙動がフレッシュ性状に及ぼす影響に着目し,貧配合を想定したプレーンモルタルの練混ぜ方法を変えること,およびAE減水剤またはAE減水剤と増粘剤を併用して添加することにより保水状態を変化させ,それらのモルタルを加水または脱水して保水性と流動性の関係を計測した。これより,練混ぜ水の挙動が貧配合コンクリートを構成するモルタルの流動性およびその経時変化に及ぼす影響について検討した。また,これらの検討結果をコンクリートに適用することを指向し,AE減水剤と増粘剤を併用したコンクリートに対し,その流動性の経時変化を計測し,貧配合コンクリートのスランプロス低減法について検討した。以下に、主な研究成果を示す。(1)通常のW/Cで練り混ぜたモルタルに比べ,加水したモルタルのフローロスはほぼ同程度となったが,脱水したモルタルのフローロスは小さくなる傾向を示した。(2)SMおよびDMで練り混ぜたモルタルのフローロスに関する検討からモルタルの保水性を向上させることでそのフローロスを低減できることが判明した。このことは,ブリーディングの小さい貧配合コンクリートとすることで,そのスランプロスを低減できることを示唆するものである。(3)増粘剤とAE減水剤を併用したモルタルは良好なフローロス低減効果を示し,またコンクリートにおいてもスランプの保持効果を示したことから貧配合コンクリートのスランプロスを低減する有効な手法であると考えられる。これらの結果から,増粘剤とAE減水剤を併用することで貧配合コンクリートのスランプロスを低減することができる一手法を提案した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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東海大学工学部紀要
巻: Vol.52, No.2 ページ: 241-248
コンクリート工学年次論文集
巻: 35 ページ: 1111-1115