研究課題
本研究の目的はコンクリートの劣化現象であるアルカリ骨材反応に対して、(1)骨材岩種の違いによるプロピオン酸カルシウムの抑制効果の把握、(2)コンクリートによる抑制効果の把握、(3)屋外暴露環境でのプロピオン酸カルシウムの抑制効果の把握、の3点である。その中で22年度の計画は、(1)骨材岩種の違いによるプロピオン酸カルシウムの抑制効果の把握、(2)コンクリートによる抑制効果の把握、(3)屋外暴露環境でのプロピオン酸カルシウムの抑制効果の把握、その他に長期の抑制効果の継続の検証である。22年度の研究では、各種の骨材によるプロピオン酸カルシウムのアルカリ骨材反応の膨張抑制効果を検証するため、モルタル供試体を作製した。またコンクリートでも供試体を作製して、実験室内の40℃湿度95%の促進養生環境と、大型供試体(φ300×600mm)を作製して屋外暴露試験を開始した。実験を進めるなかで、プロピオン酸カルシウムがセメントの水和と強度発現に影響を及ぼすことが考えられたので、その影響を把握する為、さらにコンクリート供試体を作製して強度性状(圧縮強度とヤング係数)の測定を同時に行った。測定開始から6ヶ月の状況では、プロピオン酸カルシウムを添加した供試体は、モルタル、コンクリート共に膨張などの劣化現象は見られない。屋外暴露試験でも同様にひび割れは見られなく、プロピオン酸カルシウムによるアルカリ骨材反応の抑制効果がみられている。また、コンクリートの強度性状も大きな低下はみられない。今後も長期の抑制効果の継続を検証するため測定を実施していく。
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資源・素材学会2011年春季大会,一般発表(研究・業績発表)講演集
土木学会中部支部研究発表会
ページ: 465-466
資源・素材学会2010秋期大会,企画発表・一般発表講演資料(A9建設原材料の評価・利用技術およびその周辺技術)
ページ: 219-220
土木学会第65回年次学術講演会概要集
巻: 第V部 ページ: 563-564