冬季の温度差が激しい北海道や東北地方では、コンクリートの耐久性に影響を及ぼす特有の劣化として、表面剥離や崩壊といった被害が現在も問題となっている。特に道路に付帯されているコンクリート製品は、凍結融解の繰り返しによる凍害劣化に加え、凍結防止剤の大量散布により塩害が複合的に作用して凍害劣化を著しく促進させている。本研究では、透水型枠工法を用いて歩車道境界ブロック等を作製し、表層強度試験、凍結融解試験、スケーリング試験を行い、力学的性状と凍結融解抵抗性について検討した。その結果、透水型枠工法により表層部の水セメント比が低下し、緻密化することで力学的性状及び凍結融解抵抗性が改善された。以上のことより、高耐久性を有するコンクリート製品の製造に透水型枠工法は有効であることがいえる。特に、スケーリング試験の結果より寒冷地における凍害と塩害の複合劣化に対する抵抗性が大きく向上し、長期間に亘ってコンクリート製品としての機能を維持することのできる、高耐久コンクリート製品の製造が可能であることが分かった。
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