平成22年竣工の羽田空港D滑走路島は埋立桟橋組合せ構造であり、ジャケット式桟橋構造をはじめとして基盤施設の主要構造物等に大量の鋼材を使用していることが特徴の一つである。これらの鋼構造物は、海洋環境という厳しい腐食環境下に曝されることから、ライフサイクルを通じて鋼材の腐食対策が十分になされることが必要である。また、これらの腐食対策が設計供用期間である100年間有効に機能させるためには、腐食問題に対する維持管理技術を早急に確立することが重要である。本研究では上記の要請に答え問題点を克服するために羽田D滑走路に代表される巨大海洋構造物の数値解析援用防食モニタリング技術を開発する。 平成22年度は、(1)大規模腐食解析技術の開発(2)犠牲陽極のモニタリング技術の開発に的を絞って研究を行った。実際に解析プログラムを構築するとともに海水タンクにおける犠牲陽極の電流を同定する実験を実施し、開発した手法の有効性を検証した。
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