研究概要 |
本課題の目的は,研究代表者らがこれまでに構築した橋梁用MEMSセンサ計測システムにWi-Fi機器を組み合わせることによって,多地点に配置されたセンサを用いた橋梁のモニタリング技術を構築することである.数多くのモニタリングの研究が報告されているが,多点で計測されたデータを一元処理して構造物全体の特性を表示するシステムの構築までは至っていない.そこで,本課題では,計測データをCADの位置情報に組み入れることによって,構造物のモニタリング状況を3次元可視化表示する. H22年度は,各パラメータのうち「振動」に着目して研究を行った.土木橋梁における交通振動のような低い加速度領域(100Gal以下)でも,市販のMEMSセンサを用いて正確な測定ができるようにキャリブレーションを行い,ノイズの軽減を試みた.また,変形状態を3次元的に可視化するためには3軸の変位が必要であるので,MEMSセンサで得られた加速度を変位に変換するためのデジタルフィルタを設計した. 本年度は10機の無線センサノードを自作した.各ノードで受信された加速度波形を無線機能によって基地局ノートPCにデータ転送する.各ノードの位置情報をCADから作成したポリゴン上に当てはめ,各位置における変位データをマッピングさせた.これによって,橋梁の動特性を3次元的に可視化して表示するプロトタイプを作成した.
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