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本研究(22～24年度)は、FRP橋梁のさらなる普及・発展を目指したもので、材料コストが高く、たわみ制限による使用性の照査が構造設計では支配的となることから、既に開発した経済効率に極めて優れるハイブリッドFRP主桁の高剛性化、大断面化を提案するとともに、合理的な床版・床組構造を独特の接合方法を含め提案し、これらの実用化を目的に構造性能を検証し、実現性の高い線路上空通路のための桁橋形式と斜張橋形式の跨線橋の試設計も行って、設計の自由度や経済性・施工性、および、長支間化や適用範囲の拡大に及ぼす効果を確かめるものである。22年度は、3研究項目のうちの最初の項目1)ハイブリッドFRP主桁の高度化に関する研究を実施し、以下の成果を挙げた。
(a)I形断面成形材のフランジ外縁に高弾性率のCFRP引き抜きプレートを接着接合することによるハイブリッドFRP主桁の高剛性化を提案して、実用性を検討した。まず、両者が合成断面を形成するとし、断面構成、樹脂と強化繊維の組成、積層数、接着部位(両フランジまたは引張側フランジのみ)を変えて材料設計を行うとともに、適用範囲を明らかにするため、接着断面剛性をパラメトリックに試算した。そして、試算結果に基づく実大部分模型を用いた曲げ載荷実験を行い、構造設計で支配的なたわみ剛性とともに、曲げ耐荷力と終局挙動を明らかにした。
(b)引き抜き可能断面積に限界があるI形断面成形材を上下に重ね、フランジ面を接着接合して合成することによるハイブリッドFRP主桁の大断面化を提案して、実用性を検討した。まず、接合面の2面せん断模型を製作し、押し抜きせん断試験を行って、接着接合構造のせん断耐荷力を把握した。そして、接着接合構造のせん断耐荷力が十分であったことから、実大部分模型を製作し、曲げ載荷実験を行って、断面性能としての平面保持特性、たわみ剛性(曲げ・せん断剛性)とともに、曲げ耐荷力と終局挙動を明らかにした。
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