研究概要 |
土壌水と土壌空気の混相流に関わる現象を土壌カラムを用いた実験により研究した.まず,土壌水の吸引圧と空気圧を測定するためのセンサーを独自に開発した.次に,これらのセンサーを埋め込んだ土壌カラムに 5 種類の試料を充填し,土壌水分ヒステリシスの影響下で水を浸透させ,間隙水圧と間隙空気圧を測定した.実験の結果,土壌水の流れは緩やかであったが,土壌空気の流れは極めて速く,異なる深度に埋設したすべてのセンサーはほぼ同一の空気圧を示した.一方,土壌水分ヒステリシスは土壌水および土壌空気の移動に極めて重要な役割を果たしていることが明らかになった.これらの知見を最終的に土壌中の水-物質同時輸送および水-熱同時輸送の数学モデルに組み込んだ.
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