研究概要 |
ため池堤体改修工事おいては,現況堤体の各種物性値を得るためにボーリング調査や土質調査が実施される。しかし,現況堤体の各種物性値を非破壊な物理探査手法によって推定できると,二次元的な土質物性を詳細に把握することが可能となり,調査経費の大幅な節減につながる。さらには,堤体改修工事完了後の堤体土質物性が非破壊探査により評価できれば、品質管理に利用可能となる。 本研究では,表面波探査や常時微動測定等の非破壊探査手法を,改修工事が実施されるため池堤体で実施し,改良前後のS波速度及び振動特性を比較することによって堤体改良効果の検証方法を開発するものである。 研究機関の2年度にあたる平成23年度においては,以下の検討を実施した。 1)調査対象ため池の既存データの収集と予備的検討 改修が予定されている老朽化ため池の既存データを収集すると共に,堤体の変状程度を調査した。 2)改修工事前における表面波探査と常時微動測定によるゆるみ域の検出 香川県内のため池堤体4か所を対象として,堤体の天端で表面波探査および常時微動測定を実施し,堤体のS波速度構造と振動特性から,ゆるみ域を検出した。 3)改修工事中における土質試料のサンプリングと土質試験の実施 非破壊探査を実施した同じため池において,改修工事中における堤体からの土質試料をサンプリングし,密度や粒度等の土質試験を実施して,非破壊探査で推定した土質物性との整合性について検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究はため池工事中に実施する必要があるが,ため池工事は農業用に水を必要どしない冬期に実施するために本研究の現地調査は工事に合わせて実施せざるを得なく,年度をまたいで調査データをまとめる必要があり平成23年度の研究発表はできていないが,全体のスケジュールからは本研究はおおむね順調に進展している。
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