研究課題
微生物によって尿素の加水分解を起こし、それに金属イオン(CaおよびMgイオン)を反応させて土粒子を結合させることにより、地盤の続成作用を促進させることを実証した。すなわち、砂岩が形成する過程を人為的に起こして極めて短期間で岩石化する実証試験を行った。まず、培養液と反応液の混合液を用いて砂の浸透特性および固化状況を土槽実験から調べた。その結果、微生物の浸透挙動は土の透水性および浸透速度によって変わること、それによって固結領域が異なることが分かった。それで、透水性の異なる砂試料を用いて一次元浸透における微生物の到達距離を測定した。これから、粗砂、中砂および細砂におけるおおよその微生物の浸透特性が把握できた。次に土槽実験で微生物と反応液を混合した液材の注入実験を実施した。この実験では、砂の粒径、土槽内の砂の厚さ、浸透速度、注入管の太さによる浸透域および固結領域に対する影響を調べた。これらについては、飽和砂と乾燥砂に分けて、それぞれ国際会議で研究発表を行った。10月~11月にかけて現場実証試験を行った。静岡市安倍川河川敷に砂盛土(高さ1.2m)を作製し、その天端中央から注入管を用いて液材を注入して、砂の固結状況を調べた。原位置試験として簡易動的コーン貫入試験、表面波速度測定、山中式土壌硬度計による測定を行った。また、サンプリングした固結砂については、一軸および三軸圧縮試験、および繰返し三軸圧縮試験により砂の固結度の影響を調べた。これらの試験・測定結果から、固結砂の強度は液材の注入回数が多いほど、また炭酸塩含有量が高いほど高いことが分かった。たとえば、砂の炭酸塩含有量を1%増やすことにより、一軸圧縮強さは約80kPa増大した。また、液状化強度も炭酸塩含有量が0.52%増えた場合、繰返し応力比は約2倍になった。全体的に地盤改良の材料として本研究で開発した技術が使用できることが分かった。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2013 2012
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件)
Proceedings of 3rd International Conference on Advances in Biotechnology
巻: 1 ページ: 222,233
The first International Conference on Foundation and Soft Ground Engineering Challenges in Mekong Delta
巻: 1 ページ: 1,10
Proceedings of 15th International Conference on Experimental Mechanics
巻: 1 ページ: 1,14