1)土木工学分野を対象に浸透破壊に関わる文献を収集し、およそ60を収集した。これらから、浸透破壊の評価基準に、初歩的な勘違いと思われる、力学系が混乱した評価方法が多く認められ、それが、評価基準を複雑にしていることを確認した。 2)土粒子そのものの性質としての限界流速を捉えることを試みて、それを計測するための装置を作成した。そして、この装置を用いてガラスビーズ、まさ土、しらす等の資料を対象に実験を行った。その結果、限界流速が、単に土粒子そのものの性質として表すことが困難で、土粒子の形状や大きさに依存して引き起こされる土粒子近傍に発生する水の流れ状態に、大きく影響を受けることが解った。 土粒子近傍に生じる流れ状態の影響を取り除いた限界流速値は、理論式から得られる値とほぼ同じになることを確認した。そこで、この値を利用して、土粒子の形状を流れの乱れ状態から評価する方法を提案した。 3)水路模型実験装置を作成し、その性能確認を進めた。流量制御型実験装置に、購入した非接触型変位計を取り付け、ガラスビーズを対象とした実験を行って、性能確認した。 4)BREACHモデル、DAMBRKモデル等、10の既存のモデルについて、それぞれのモデルパラメータと特徴を整理した。
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