研究概要 |
都市型集中豪雨はゲリラ豪雨とも呼ばれ,社会的な問題となっている.ゲリラ豪雨は短時間に局所的に発生するため,予測が難しい.ゲリラ豪雨の発生には,都市の温暖化,地球温暖化,海風の流動特性の変化,さらに,海風の流動特性の変化に起因する大気中の汚染物質の輸送特性の変化が影響していると考えられる.しかし,これらがどの程度影響しているかは明らかにはなっておらず,その発生機構の詳細は解明されていない.本研究では,気象モデルThe Weather Research and Forecasting (WRF)を用い,2006年8月14日に福岡平野を中心に発生した集中豪雨の再現シミュレーションを行った.再現シミュレーションでは降雨量が小さい値となったが,気温と風はよい再現性を示した.都市の影響を評価するため,人工排熱をパラメータとする感度実験を行った.人工排熱の増加により降雨量が増えることが示された.これは,人工排熱の増加により,上昇風が強化され,低層の湿潤な空気塊が上層まで運ばれ,雲の形成を誘起し,降水域の最大雨量を増加させるためであることが明らかになった
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