研究概要 |
本研究では,河川,湖沼,貯水池等の陸水域での水質と生態系変化を高精度に予測し,かつ環境アセスメントに適用し得るコンピュータシミュレーションモデルの開発を最終目標として,現時点で未解決である課題,すなわち,1)水域底部に堆積した底泥内部での生物過程,およびそれと物質移動との相互作用,および2)砂や砂礫で構成された透水性底泥,つまり砂質底泥に対する底泥直上の乱れの内部への浸透と,それによる物質移動への影響について,研究代表者のこれまでの基礎研究を有効に活用しつつ,理論的・実験的検討を行い,これらに基づくモデルを構築することを目的としている. 平成22年度は,底泥直上の乱れの底泥内部への浸透に関する実験を実施するために必要な実験施設・装置を設計・製作した.また,平成23年度以降の実験に必要な各種計測機器(流速計等)のセットアップ・キャリブレーションを行った.他方,底泥内部での生物過程について検討するために実験装置を設計・製作し,計測装置のセットアップを行った.これらの実験施設・装置を用いて実験を開始できる状況にあることを確認してある. 上述の実験施設・装置を用いて,砂や砂礫で構成された透水性底泥,つまり砂質底泥に対する底泥直上の乱れの内部への浸透と,それによる物質移動への影響に関する基礎的な実験を行い,その結果を研究代表者のこれまでの理論解析結果と比較するとともに,実験結果を下に,物理的機構に着目してモデルを再構築しつつある.
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