本年度においては、まず、公共交通(STサービスを含む)および歩行空間のバリアフリー整備の評価に関する既往研究の整理を行った。そして、特にバリアフリー整備に関しては地域の潜在的な特性、すなわち従前から広幅員道路を確保することが比較的容易な場合とそうで無い場合において、統一的に評価する方法は確立されていないこと、さらに、当事者による参加型評価手法においても、条件が厳しいためにバリアフリー基準に満たない整備しかできない箇所に関する評価を行うには、参加者の代表性に課題があることなどを明らかにした。 これらの結果より、当初の研究計画のなかでも特に大都市の道路整備が不十分で住宅が密集している市街地における評価を行うことが重要と考えられたことから、それに該当する東京都区部を対象に、道路整備の実態や、STサービスと高齢者等の利用・外出の関係について広く情報を収集した。 さらに、目的地のバリアフリー整備が進んでいるなかで、路線型公共交通が少ない茨城県内を対象として、公共交通(STサービスを含む)の現況水準と高齢者等の利用・外出の関係について広く情報を収集するとともに、基礎データを収集、および既存のデータの集計・分析等を行った。
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