研究課題/領域番号 |
22560531
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
川崎 雅史 京都大学, 工学研究科, 教授 (20195077)
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研究分担者 |
久保田 善明 京都大学, 経営管理大学院, 准教授 (60544955)
山口 敬太 京都大学, 工学研究科, 助教 (80565531)
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キーワード | 山裾地形 / 敷地デザイン手法 / 歴史的名所・風景地 / 眺望景観 / 地理情報システム(GIS) |
研究概要 |
本研究は、近年の景観計画における新たな課題である眺望景観や地域に固有な地形景観の質的評価の理論的基盤を構築することをめざして、景域の骨格をなす「地形」が形成する景観特性の評価と、その特性を活かした敷地デザイン手法の解明を目的としている。 平成23年度においては、前年度までに数値標高データを用いた景観解析手法として行った囲繞度分布の把握を基に、囲繞距離の分布把握(仰角5度以上で見える山までの距離の平均値を算出)、俯瞰景が得られる視点場の分布把握(仰角-1度で見える方向の数/16方向)など、複数の指標を用いて、景観解析手法の発展を試みた。また、近世の名所図会である『都林泉名勝図会』を分析対象として、名所の立地、周辺地形の描かれ方、見え方について整理し、景観解析データを合わせて考察を行った。本成果については、平成23年度中に発表予定であったが、研究の進捗状況の遅れから、平成24年度中の発表を予定している。 また、百済寺(滋賀県東近江市)を対象にした、地上LIDARを用いた3次元測量によって3次元の空間情報(地形、植栽、建築、庭園構成要素)の分析を行っている。これについては、囲繞性などの景観特性の定量評価の枠組みを提示するとともに、地形の景観特性に合わせた造景意匠についての詳細な考察を行うことを目的としているが、取得したデータの不完全性等、解析上問題が生じており、その解決策を講じながら、研究方針の修正を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の遂行状況については、申請書の通り研究を進められている。ただし、発表が遅れている理由として、景観解析の作業に平成23年度一杯を要したことがあるが、平成24年度中には発表できるよう準備をすすめている。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度が最終年度であるため、これまでに作成してきた景観解析評価の結果をもとに、事例研究を進め、データベースを充実させていく。百済寺の空間解析については、取得したデータの不完全性等、解析上問題が生じており、その解決策として、航空写真によるデータの保管等を講じている。
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