1.研究目的と意義 本研究では、地震や洪水などで発生する崖崩れや地盤崩壊などの災害規模を、安全に、発生後直ちに測量する手段を開発する。特に、地震や洪水の多い日本では、災害の早期復旧のためにも、安全で高精度な測量技術の開発は、重要な意義を持つ。 2.研究の全体像 3年間の研究期間中に、簡単に上げられる気球に、PTZカメラを搭載、研究者らが開発した相対ステレオ視覚技術を適用し、危険地域に立ち入ることなく上空から地表の映像と3次元形状を高精度で獲得し、鳥瞰的な災害規模の把握と、ズーム機能による詳細データの取得を可能にする。 3.平成22年度の開発成果 第1年度の平成22年度は、詳細なズームデータを大域データに統合、大域で高精度化する手法の開発を行う。研究実施状況を以下に示す。 (1)4-9月:鳥瞰画像とズーム画像を重ね合わせ、2次元画像的相対位置あわせを行う手法を開発した。鳥瞰画像から、ズーム画像のおよその拡大率に合わせて拡大画像を作成、相関マッチングによる位置あわせを行った。 (2)10-12月:鳥瞰画像からのズーム画像の正確な相対倍率を求め相対ステレオで求めた3次元データを補正した。ズーム画像を細かくブロック分割、それぞれの拡大鳥瞰画像でのマッチング位置を求め、正確な拡大率を求めた。 (3)1-3月:2次元相対位置合わせをベースに、鳥瞰3次元データとズーム3次元データの精密な重ね合わせ(サブピクセルマッピング)を行った。
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