研究概要 |
本研究は,追加採択されたものであるため,本年度は当初の申請通りの十分な成果をあげることはできなかったが,運輸部門に関しては,自動車保有統計を用いた空間回帰分析,自動車オーナーインタビュー調査を用いた世帯の自動車走行量に関する潜在クラス回帰分析,また民生部門については,世帯の活動スケジュール生成方法の比較分析を行った.自動車保有については,群馬県の町字単位のデータを用いて,所得変数を制御して,人口密度弾性値を推定し,約0.1であると推定された.また自動車走行量についても,人口密度弾力性は0~-0.25と推定され,人口密度弾性値が高い世帯は,世帯人数が多く郊外に居住する傾向があることを明らかにした. 世帯の活動スケジュール生成の方法についてはパーソントリップ調査とNHK国民生活時間調査を組み合わせることで、従来のNHK国民生活時間調査のみを用いた方法では考慮できなかった世帯人員間の活動の相互関係や共有時間が考慮可能になった。また、運輸・民生(家庭)部門のエネルギー消費量を世帯単位で活動を考慮して同時に推計することが可能になった。 ともに,現在その削減が求められている世帯の運輸・民生部門のエネルギー消費の削減を考える上でその基礎的な知見を得るためのものであり,有用性は高いと考えている.学会において2編の研究発表を行い,参加者から貴重な意見をいただいた. 全国消費実態調査の個票データを用いて分析することが課題として残っており,来年度はそのデータを用いて分析を行う予定である.
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