研究課題
【研究の目的】古代の遺跡や中世の街並み等を復元する3Dモデルを自由に観察できるシステムがあれば、多くの研究者や住民が発掘調査や考古学研究の成果を理解でき、考古学を支援するものである。しかし、3Dモデルを作成するには、CGソフトを用いて多大の労力と時間をかける必要である。そこで、本研究では、これまでの研究成果:「3次元都市モデルの自動生成システム」を発展させ、「古代・中世の街並みや寺院等の建物を復元する3Dモデル」を自動生成し、Web上にその3Dモデルを展開し、共有・更新を行える「Webベースの遺跡等の3Dモデルを自動生成する考古学研究、まちづくり支援システム」の開発を目的とする。【研究実施計画】これまでの研究成果である「自動生成システム」を古代の建物生成用に改変したシステムに、複雑な形状の建物の部品の輪郭線を描いた正面図、側面図に基づいて部品の3Dモデルを自動生成するモジュールを開発し組み込み、精緻な古代建物の3Dモデルの自動生成システムの開発を行う。【研究成果】古代建物の3Dモデリングでは、これまで開発した現代の建物の3Dモデルを自動生成するプログラムを発展させて、システム開発を行った。本年度の研究成果として、(1)建物を構成する部品(例えば、屋根下の組物である斗、肘木など)の3Dモデルを、各部品の輪郭線を描いた正面図と側面図から自動生成するシステムの開発。(2)建物の3Dモデルを自動生成する基礎技術として建物境界線(建物ポリゴン)に対する処理で、ポリゴンのStraight Skelton(直線状の骨格)の生成システムの開発。(3)生成したStraight Skeltonに基づいて、複雑な形状の屋根の自動生成システムの開発。これらの研究成果は、建物の3Dモデルが主要な構成物である「古代都市を復元する3Dモデル」を構築するための基礎となる重要な研究成果である。
2: おおむね順調に進展している
研究実施計画である「部品の輪郭線を描いた正面図、側面図に基づいて部品を自動生成するモジュールの開発」に対して、本年度の研究成果として、「建物を構成する部品(例えば、屋根下の組物である斗(ます)、肘木など)の3Dモデルを、各部品の輪郭線を描いた正面図と側面図から自動生成するシステム」の開発に成功した。その研究成果を学会発表し、論文にまとめた。
平成24年度も引き続き、古代建物の3Dモデルを自動生成するシステムの開発に取り組む。建物モデルの中で、特に、鴟尾(しび)、組み物などの複雑な形状の建物の部品を、パターン認識して、輪郭線と特徴線を描いた正面、側面イメージに基づいて、自動生成するシステムの開発を目指す。このために、これまでの研究成果で、「建物境界線を基本図形に分割・分離するアルゴリズム」を発展させ、様々な形状の全体輪郭線を基本図形に分割・分離することを考える。
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