本研究の目的は、日本を地域分割した上で、東アジア諸国との生産技術の連関構造、交易構造が分析可能な東アジア国際日本地域間産業連関表を作成し、それを用いた物流政策分析を行うことにある。初年度の研究としては、精度の高い産業連関表を作成するための手法を検討し、特に一国を複数地域に分割する際の手法の検討を行った。また、その一方で表が完成した場合を想定して、特に空港や港湾などの物流政策の評価が行える応用一般均衡モデルを構築した。当初は2005年を対象とした実際の産業連関表の作成まで実施する予定であったが、必要なデータが2010年度内に公表されなかったため、2000年対象の産業連関表の作成をベースに、その改善手法を検討した。日本を地域分割する際には、その対象地域を検討しなくてはいけないが、2010年度ではひとまず九州地域とその他地域に分割することとした。但し、年度末3月11日に発生した東日本大震災の影響が分析できるように、地域分割のあり方について再検討することとした。
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