研究課題
本研究では,活性汚泥のコンポスト化におけるPAHsの変化に着目し,広島県内のコンポスト工場において受入,分解,負荷に調査を実施したそれに基づきコンポスト経由での土壌,水環境での負荷を算定した.コンポスト製造に使用される6種類の汚泥および代表的な受入食品製造残渣に含有する16PAHsを測定した.それに基づき混合原料とコンポストの16PAHs含有量を比較すると,混合原料101±27 ng g-1,コンポスト95±49 ng g-1であり,負荷量ベースでは混合原料は454±10 g year-1,コンポストは156±76 g year-1となり,コンポスト化によって66%のPAHs分解が確認された.発光細菌を用いた毒性試験の結果は,混合原料5.24 L g-1 (幾何平均),コンポスト0.88 L g-1であった.負荷量ベースに換算し分解率を算定したところ87%であった.Ahイムノアッセイによる毒性評価によると混合原料は23±33 ngTCDD g-1,コンポストは14±19 ngTCDD g-1であった.負荷量ベースに換算し分解率を算定したところ33%であった.またコンポスティングプロセスでの分解を実証するために分解実験を実施した.分解傾向が確認され,PAHs,毒性が一定程度分解されることが明らかになった.以上の結果に基づきコンポスト由来PAHsの環境中寄与をPAHs負荷の大部分を占める大気降下粉塵由来のものと比較を行った.算定した結果広島湾流入域においてコンポスト由来のものは4%と算定された.
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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