研究課題/領域番号 |
22560560
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松島 信一 京都大学, 防災研究所, 准教授 (30393565)
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研究分担者 |
川瀬 博 京都大学, 防災研究所, 教授 (30311856)
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キーワード | 波動干渉法 / 実建物 / 耐震安全性診断 / IT計測技術 / 自己相関関数 / 相互相関関数 / グリーン関数 / モデルパラメータ |
研究概要 |
本研究では、実建物の耐震安全性診断のために建物内の2点間(建物全体だけではなく柱端部など)の波動伝播(常時微動および微小地震)の観測波形に波動干渉法(Seismic Interferometry)を適用し自己相関関数・相互相関関数からグリーン関数(点加振による応答の伝達関数)を抽出し、それを説明できるモデルパラメータ(剛性、質量、減衰)を精度よく同定する方法を開発することを目的とする。その目的達成のため、現有の地震計を活用したIT計測技術を用いた収録システムを新たに構築し、観測された波形から建物のモデルパラメータ(質量、剛性、減衰)を逆同定することにより建物の正確な耐震安全性診断が出来るシステムを開発する。本年度は実建物の耐震安全性診断技術の開発に向けた研究準備および研究を進めることを主眼として、以下の研究を推進した。 (1) 現有の地震計と組み合わせて使える収録装置およびIT計測技術を駆使したデータ収録システムを開発した。開発した収録システムにより試験的にデータ収集を行い、安定的にデータ収集を行う方法を検討した。 (2) (1)と並行して、単純な鉄骨骨組み架構について、既存の地震計を用いることにより各所での波動の長時間・広周期帯域観測を試験的に行い、プログラム開発に用いるテストデータを収集した。 (3) (2)で得られたデータについて、波動干渉法を適用して2点間の自己相関関数・相互相関関数に含まれているグリーン関数を抽出する手法について検討した。
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