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2011 年度 実績報告書

土壁を有する伝統木造構法建物の崩壊挙動解析法の開発と限界耐力計算

研究課題

研究課題/領域番号 22560561
研究機関京都工芸繊維大学

研究代表者

森迫 清貴  京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (90127168)

キーワード伝統木造 / 土壁 / 崩壊挙動解析法 / 限界耐力計算
研究概要

本研究では、土壁を有する伝統木造構法建物の静的及び動的崩壊挙動を予測する解析法の開発し、この種の建物の構造計算法である限界耐力計算の評価を行うことを目的としている。
今年度、これまで開発してきた木造立体骨組解析法FERT-3Pwでは、実規模木造建物の解析をパーソナルコンピュータで行うことが、かなり困難であることが判明した。それゆえ、接合部ばね一部材モデルの構築を行うこととし、定式化から改めて取り組んだ。現在、部材移動座標の採用と柱脚ばねによって柱の傾斜復元力挙動を予測できることを確かめ、柱-貫接合部や土壁水平復元力モデルの組み込みを行っている。なお、接合部ばねモデルについては既往の実験報告から構築済みである。また、小型振動台実験によるロッキング振動の変位時刻歴データを、高速ビデオを用いたシステムにより行った。これらについては成果をまとめ2012年6月の日本建築学会近畿支部研究報告会および9月の日本建築学会大会で発表予定(投稿済)である。この成果を取り入れて柱脚の滑りや浮きをばねモデル化する試みを現在行っている。ロッキング振動実験の変位記録は報告されておらず、これらの研究に役立つと思われる。
また、すすきを小舞とする飛騨高山、葦を小舞とする金沢仕様の土壁の繰り返し実験も新たに行い、土壁の復元力特性に関するデータの充実を行うことができた。過去に本研究者が行った京土壁の挙動とはかなり異なり、耐力は若干劣るが、急激な耐力低下が生じにくいことが観察された。これらの小舞仕様の土壁実験結果は、それらの地域の文化財建物の耐震診断や耐震補強計画の基礎データとして有用である(これについても成果をまとめ日本建築学会で報告予定(投稿済))。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

これまで開発してきた木造立体骨組解析法FERT-3Pw(梁-柱有限要素法)では、実規模木造建物の解析をパーソナルコンピュータで行うことが、かなり困難であることが判明し、改めて接合部ばね一部材モデルの構築を行っている。また、飛騨高山および金沢仕様の土壁の繰り返し実験も新たに行った。これらにより、当初の計画より若干遅れることとなった。

今後の研究の推進方策

土壁実験の結果報告およびロッキング実験については、発表予定(投稿済)であり、解析法の開発についても平面解析法はほぼ構築できており、立体版および動的版への拡張を急いでいる。また、耐力低下型復元力特性の時刻歴解析と限界耐力計算の比較研究についても着手している。ただし、効果的な土壁の補修・補強方法の提案について、実験等の検証をふまえて行えるかどうかは、微妙な状況である。少なくとも、既に行っている損傷した土壁の補修後実験結果を基に、提言は行う予定である。

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公開日: 2013-06-26  

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