研究課題/領域番号 |
22560566
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研究機関 | 秋田県立大学 |
研究代表者 |
板垣 直行 秋田県立大学, システム科学技術学部, 准教授 (00271891)
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研究分担者 |
飯島 泰男 秋田県立大学, 木材高度化好研究所, 教授 (10279507)
長谷川 兼一 秋田県立大学, システム科学技術学部, 准教授 (50293494)
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キーワード | 木造住宅 / 保全技術 / 環境負荷 / 二酸化炭素削減 / 省エネルギー / 長期耐用 / スケルトンーインフィル / 森林資源 |
研究概要 |
本年度は、昨年度実施した、住宅の長期耐用化、生産時および運用時の低環境負荷化、地域木材の活用のための技術の整理結果を基に、長期耐用型木造住宅のプロトタイプの試設計に取り組んだ。また、昨年度実施できなかった集成材製造過程における環境負荷について調査し、インベントリ分析のためのデータの作成を行った。一方、森林の生育状況を分析し、森林資源循環サイクルのモデルを検討した。 ○長期耐用型木造住宅のプロトタイプの試設計 昨年度の検討により長期耐用型木造住宅に取り入れるべき構法、仕様に基づき、プロトタイプとなる住宅を試設計した。また、これを基にして、長期優良住宅における長期耐用化技術のシステムの導入を検討した。 ○集成材製造過程における環境負荷の調査 集成材製造過程について、使用エネルギー消費量の実測調査を行い、既往のエネルギー消費量およびCO_2排出量原単位を検証した。その際に、大断面集成材と住宅を中心とした中小断面集成材の生産形態・規模が異なる集成材メーカーを調査し、両者での環境負荷の違いなどについて明らかとした。また、生産過程における低環境負荷化のポイントを整理した。 ○森林の生育状況の分析および資源循環サイクルモデルの設定<飯島> 秋田のスギを中心とした森林資源について、林業統計データやヒアリングにより調査し、林令と蓄積量の関係を把握した。さらにそれらに今後の生産状況などを想定し、将来的な森林資源蓄積量についてシミュレートした。それらの結果から、資源を持続的に活用すると共に炭素吸収を効率的に行うための植樹、育成、伐採(生産)のサイクルを検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初、研究分担者として参加予定であった、川鍋准教授が産休、育休のため参加できず、木材・木造住宅生産時の環境負荷調査などを板垣が併せて行う事となったため、それらの進行についてはやや遅れている。しかしながら昨年度は、集成材の製造工程における環境負荷調査を十分に行い、貴重なデータを得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
本年度が最終年度となるため、まずやや遅れている長期耐用型木造住宅のインベントリ分析を、昨年度実施した集成材製造過程における環境負荷調査結果等に基づき行う。さらに、昨年度検討した森林資源状況を踏まえた森林の循環サイクルに調和する住宅のライフサイクルのモデルを検討し、運用から最終的な解体・廃棄までを含めたライフサイクル評価を行う。この結果を基に、CO2排出量を削減すると共に森林および環境の保全、地域資源の有効かつ持続的活用を実現するような住宅の生産システムを提案する。
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