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2011 年度 実績報告書

着脱可能な方杖部材による鋼構造骨組の耐震補強に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22560575
研究機関関東学院大学

研究代表者

江波戸 和正  関東学院大学, 工学部, 助教 (70568766)

研究分担者 原田 幸博  千葉大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10272791)
キーワード鋼構造 / 柱・梁接合部 / 半剛接合 / 方杖補強 / 有限要素解析 / 耐震設計 / 耐震補強
研究概要

方杖補強部材を用いて柱・梁接合部に補強を施した十字形部分骨組み架構を対象とした有限要素解析を遂行し、引張り方向となる引張り方杖と圧縮方向となる圧縮方杖の挙動の違いを明らかにした。また、上記で解析したモデルと同様の十字形部分骨組み架構の実験を行い、その補強効果を調査した。その結果と既往の研究で遂行された無補強の十字形部分骨組み架構実験との結果を比較し初期剛性で1.9~1.98、全塑性耐力で2.2~2.5倍上昇することが確認された。
しかし、実験の最終状況は、方杖補強部材の取り付かない上部柱端位置での全塑性状態による柱フランジの局部座屈であった。方杖補強を施す場合は、柱崩壊を生じさせないためにも柱耐力と梁耐力のバランスを考慮して適切な方杖補強部材とすることが重要になると考えられる。また、同方杖補強部材を既存建築物の耐震補強へ適用する場合にも同様な事が重要となるので、同方杖補強部材の耐力、軸剛性が適正に設計できるようになれば、合理的な耐震補強方法となると考えられる。
以上の結果を踏まえ、方杖補強部材の耐力及び軸剛性を調整する事が可能なせん断入力型の方杖補強部材を提案して実験及び有限要素解析により力学的な性能を調査した。方杖補強部材には、本来、引張及び圧縮入力が繰り返されるが、まずの最初の段階として方杖補強部材に入力される軸入力を引張入力に限定して同方杖補強部材の引張実験を行った。同方杖補強部材の中で引張軸入力がせん断入力型に変換され想定した挙動となるか検証を行い、ほぼ想定した結果を得た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

左右の梁に方杖補強部材が取り付いた部分骨組み架構実験を遂行し、既往の研究で遂行された無補強の十字形部分骨組み架構実験との結果を比較し初期剛性で1.9~1.98、全塑性耐力で2.2~2.5倍上昇することを確認した。また、その結果より方杖補強を施す場合は、柱崩壊を生じさせないためにも柱耐力と梁耐力のバランスを考慮して適切な方杖補強部材とすることが重要になるとの問題点を抽出した。この問題点を踏まえ、方杖補強部材の耐力及び軸剛性を調整する事が可能なせん断入力型の方杖補強部材を提案して実験及び有限要素解析により力学的な性能を調査及び検討を行う研究に着手している。

今後の研究の推進方策

当初申請書の研究計画では制震機能付き方杖補強部材と称していたが、研究の過程でこの方杖補強部材をせん断入力型方杖補強部材と呼び耐力及び軸剛性が調節可能なものとして研究を行ってゆく。今後、第二のステップとして同方杖補強部材に対して引張、圧縮の繰り返し実験を行い、方杖補強部材の繰り返し挙動を把握する。同方杖補強部材の耐力、軸剛性が適正に設計できるようになれば、合理的な耐震補強方法となると考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Study on structural behavior of weldless joint in beam-to-column connection of interior column with knee brace reinforcement2012

    • 著者名/発表者名
      S.Honma, K.Ebato, Y.Harada
    • 雑誌名

      STESSA2012, Behaviour of Steel Structures in Seismic Areas

      ページ: 263-268

    • 査読あり
  • [学会発表] 方杖補強付十字形部分骨組み架構の解析2011

    • 著者名/発表者名
      本間小百合
    • 学会等名
      日本建築学会(大会学術講演梗概集(関東)C-1構造III)
    • 発表場所
      早稲田大学(東京都)
    • 年月日
      2011-08-24

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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