研究概要 |
基礎断熱の夏冷却・冬熱損失緩和効果については、土間床,布基礎,半地下室別に基礎まわりの温度分布について3次元有限要素法定常熱伝導解析を行い,回帰誤差の小さい因子複合重回帰分析プログラムを利用して汎用性の高い熱通過率の予測式を導いた。また,年周期的熱伝導解析を行い,重回帰分析によりsin関数で表される年間の実効温度差を与える予測式を得た。最後に断熱材の効果的な配分法について検討を加え,基礎形式,地盤種類,気候なども考慮が必要なことを示した。 窓からの日射の暖房効果については、北海道の162ヶ所を対象としたAMeDASの1時間ごとの気象データを利用して、各地点の月別方位別日射量、月別気温、月別風向・風速データを整理した。次に窓ガラス空気層とサッシの熱抵抗値及び日射透過率と日射吸収率を各種断熱窓の熱貫流率と日射取得率計算値が実測結果に良く合うように整理し、断熱窓の選定に役立つ窓の熱収支検討プログラムを作成した。 薪ストーブについては、ブロック造外断熱セントラルヒーティングの住宅内において薪ストーブ暖房とセントラル暖房の比較を行い、高断熱住宅では薪ストーブで問題となる室温制御や自動燃焼の難しさが軽減される可能性を検討した。その結果、薪ストーブ1台で朝と夜それぞれ薪1束づつ適当に燃やす暖房でも暖房時に壁に吸熱された熱は停止後放熱し、16時間のセントラルヒーティングと温度分布と変動幅が変わらないことが分かった。 高窓の熱気除去と夜間冷気の流入効果による冷房不要の住宅に関しては、環境調整に高窓を利用するブロック造外断熱住宅と高窓のない木造住宅の夏季の室内環境を実測比較し、高窓の効果を確認した。
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