研究課題
平成9年4月の所謂容器包装リサイクル法の施行以降、多くの自治体がゴミの分別回収を行い、包装容器類の資源ゴミは洗浄するように指導しているため、当該地域ではこの洗浄用の水使用量が増え、排水負荷等も増えている。その一方では、洗浄の煩わしさを嫌って多くの貴重な資源が可燃ゴミまたは埋め立てゴミとして廃棄されている。本研究は、資源ゴミに関するアンケート、資源ゴミの洗浄に関する被験者実験などから、住宅における資源ゴミの洗浄により発生する新たな水(湯)使用負荷、排水負荷、(給湯)エネルギー消費についての原単位とその推定法を提案し、上下水処理施設などの計画にあたって有益な資料を提供し、「洗浄のしやすさ」「洗浄負荷の低減」という観点から、廃棄されにくく環境負荷の小さい包装容器(資源ゴミ)のあり方を探ることを目的とする。22年度は住民の環境意識、資源ゴミ等の分別、資源ゴミの種類と量、資源ゴミの洗浄等について、金沢(236/350戸)、京都(118/151戸)、横浜(135/242戸)でアンケート調査をおこなった。このアンケート結果より以下の知見を得た。○節電、リサイクル等の住宅内行動が環境対策に役立っているかについては55%がわからないとしており、リサイクル等の効果が見えにくい現状を示した注目すべき結果であった。○リサイクル区分についての意識は、資源化69.6%、燃料化48.1%であった。○94.1%が資源ゴミを洗浄しており、洗浄は定着したと考えられる。○65.4%が洗浄に給湯を使用しており(冬期は64.1%)、53.5%がゴミの洗浄に洗剤を使用している。冬の湯使用や洗剤使用については食器洗浄行為との関わりから多くなったと考えられる。○汚れのひどいものは埋め立てゴミとして捨てられていることから洗浄のし易い容器の開発も必要である。
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2010年度大会(北陸)日本建築学会学術講演梗概集
巻: 2010年D-1環境工学I ページ: 579-580
巻: 2010年D-1環境工学I ページ: 581-582