研究課題
本研究は、わが国固有の都市基盤である近世城下町を起源とする城下町都市の明治以降の都市づくりを文脈的に解釈するものであり、特に「城」に注目し、明治以降の「城址」を取り巻く動きを多面的かつ相対的に捉え、同時代的な城址の文化的景観の意味づけを行う。本年度では、戦前に建設された仮設の模擬天守閣について、その建設経緯と意義を分析した。具体的には1906年に山梨県が主催した一府九県連合共進会、1936年に津山市が主催した産業振興大博覧会で、それぞれ天守台に建設された模擬天守閣を取り上げた。いずれも主催者ではない民間の経費で建設され、有料施設だった。会場内では最も高所にあり、夜間照明により多くの視線を集めた。近代化のイベントというハレの舞台における集客装置であり、近代の祝祭性を帯びた都市施設だった。さらに城址の公園化の背景と経緯を分析した。具体的には「存城」が明治中期に払い下げられた城址の中から、甲府城址を取り上げた。多くは旧藩主に払い下げられたが、甲府は幕府直轄地であったことから、山梨県が払い下げを受けた。山梨県は当初から公共施設用地として払い下げを申請していたが、鉄道開通を記念した共進会場として城址を利用するとともに、「公園」として借用することに成功した。財政難から、結局、篤志家の寄付により払い下げを受けた。公園としての整備には積極的ではなく、一方で県庁舎の建設やそれに伴う濠の埋め立てるなど、史跡としての保存に対する意識も低かった。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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ランドスケープ研究
巻: Vol.76, No.5 ページ: 427-432
日本建築学会計画系論文集
巻: 689 ページ: 10