研究課題/領域番号 |
22560616
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
本間 里見 熊本大学, 大学教育機能開発総合研究センター, 准教授 (60284741)
|
研究分担者 |
下田 貞幸 熊本高等専門学校, 土木建築工学科, 教授 (10259971)
|
キーワード | 都市・地域計画 / 測量 / CAD / 文化遺産 / 産業遺産 / 三次元レーザースキャナ / 点群データ / モデリング |
研究概要 |
本研究は、建築物及び街並空.間の高精細な三次元モデルの構築を目指し、レーザースキャニングによる建築CADモデリング手法の高度化をはかることを目的としている。 22年度は、三次元レーザースキャナによる(1)対象地区め実測及び(2)実測で得られた点群データを解析し、建築CADデータへの変換プロセスを検討した。 (1)対象地区の実測では、産業遺構である三池炭坑万田坑と歴史的街並である八代市日奈久温泉地区の2地区の実測を実施した。研究組織が実測の計画を行い、測量会社が実測の実施及び点群データのノイズ処理と点群データの合成を行なった。研究成果として、複数の建築物が混在する比較的広域な対象地区における三次元計測の一連の作業プロセスが整理できた。 (2)三次元計測によって得られた点群データの属性(XYZ座標、RGB色情報、レーザーの反射強度)により点群データをクラスター分析し、建築物を構成する構造体、部材、建具、建築物以外の要素に分離した。次に、建築材料(煉瓦、コンクリート、木材、ガラス、金属等)を色情報と反射強度から同定することを試みた。さらに、分離した点群データから境界線を抽出し、ポリゴンデータに置換した。置換の精度を検証するため、置換したポリゴン内に含まれる基の点群データの存在率を置換率と定義し、評価を行った。その結果、空間構成要素においては、壁と柱に関しては68~92%、扉は72%、窓は49%の置換率となり、部材たよりばらつきが見られることが明らかとなった。また、素材別の評価においては、煉瓦とコンクリートは75%から90%と比較的高い変換率となったが、木材は28%~68%、ガラスは38%~71%と同じ部材でも置換率が不安定であることがわかった。 今後は、この点群データからベクトルデータへの置換率の安定を図るプロセスを提案し、「点群-ベクトル変換システム」の開発を進める予定である。
|