研究課題/領域番号 |
22560618
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
木方 十根 鹿児島大学, 理工学研究科(工学系), 准教授 (50273280)
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研究分担者 |
福島 綾子 九州大学, 大学院・芸術工学研究科, 助教 (50432878)
高尾 忠志 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 特任助教 (20380579)
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キーワード | キリスト教 / カトリック / 五島列島 / 集落 / 景観 / 地域計画 |
研究概要 |
本研究における方法上の特質は、信仰の普遍性と地域性という観点から、五島列島のキリスト教系集落の多様性の様相を検証しようとすることにある。既発表研究(木方・福島・高尾2010)において、キリスト教系集落の維持管理活動について、地域を超え普遍的な特質を確認した。同時に地域的な特色も析出されたわけだが、小教区の区分など基本的なことを含め、教会組織の地域、とくに地理的空間への教会活動の定着過程を明らかにした研究は少ないように思われる。 こうした点を踏まえ平成22年度には、文化的景観に関する研究動向、および、背景としてのキリスト教の宣教の歴史および社会福祉活動の展開など教会活動の普遍性と地域への定着について既往の知見や研究の整理をすすめるとともに、五島列島において歴史資料の渉猟など予備調査を行い、次年度以降の調査研究の位置づけの明確化を行った。予備調査において、五島列島の某小教区において、19世紀末から現在までのカトリック信徒の居住と移動を記録した、膨大な資料の渉猟を行うことができた。当該資料はラテン語の筆記体で記録されており、その分析には相当時間を要するものと思われる、また個人情報の保護の問題など研究資料として活用するうえでの技術的課題が残されているが、これまで漠然と語られてきた地域への教会活動の定着状況を、客観的かつ具体的に明らかにするために有用なデータを獲得することができた。同時に、同様の精度で地域における教会活動の定着を分析できる地域(教区)があるか、そうでない場合の代替措置の検討など、次年度以降の課題も明らかとなった。
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