本研究は公的住宅の機能や役割を地域住宅市場の中で位置づけようとするものである。主に住宅・土地統計調査を用いて地域住宅市場の特徴を明らかにし、そのなかでの公的住宅とりわけ公営借家の位置づけを明確にした。 都市域では全体に若年者が多いが公営借家居住者は他地域に比して年齢層が高い。また地方に比べて収入格差も大きい。地方部では収入はやや低いが若い居住者が居住している。住宅については都市域の公営借家は住宅水準の低さに比べて家賃はさらに低いが、北陸などでは住宅水準は持家などに比べて著しく低いものの家賃はさほど低くない。以上から都市域と北陸などの地方部、南日本地域などの類型が認められた。
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