研究概要 |
平成22年度は都市空間の情報モデリングの概念設計を行った。環境やアクティビティを重視した都市デザインプロセスと対応する時空間情報の活用を念頭において都市デザインの情報モデリングの概念を構築し,プラットホームの構成について検討した。次に,時空間情報パッケージのプラットホームを構成するアプリケーション群の評価とGNU GPLで提供されるCFDソルバーのOpen FOAMを,時空間情報パッケージを環境解析へ適用するための実験を行った。そのためにフリーオープンソース(FOSS)のアプリケーションであるBlender,Grass GIS,Open FOAMの動作する環境をPCのOS上で構築した。Open FOAMについては,日本建築学会が提供している市街地モデルによる風環境分析を試験,Paraviewによる可視化実験を行った。また,Virtoolsを用いたインタラクティブな空間評価実験を建築スケールで行い,都市スケールへの展開について検討した。その結果,時空間情報活用の取得から景観や環境の分析と可視化を行う都市デザインの情報モデリングプラットホームの概念の適用範囲内で,個別プロセスの動作について確認ができた。現時点での課題は,CFD解析にあたってのデータのスケーリングとメッシュ作成のプロセスにある。メッシュ生成についてはOpen FOAMに付属するツールで期待する性能が得られていないため,名古屋大学情報基盤センターがサービスを提供するメッシュジェネレータを用いることとし,この過程のみ想定しているFOSSを中心としたプラットホームの概念の外部に暫定的に置くこととした。
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